超高圧流体充填技術

超高圧流体充填技術は、水素エネルギーの充填に使用されている技術です。
水素エネルギー普及には利用者の利便性向上が不可欠です。
現在のガソリン給油と同等の充填速度を実現させるべく、研究開発を行っています。

研究開発の背景

水素エネルギー社会実現において社会インフラである水素ステーションの低コスト化は重要な要素です。また、利用者の利便性という観点では、現在のガソリン給油と同等の充填速度が求められます。

当社は、トップシェアを誇るCNGディスペンサーで培った高圧流体制御や計測技術を水素用に進化させるべく、NEDOの水素関連のプロジェクトに初期段階から参画し「実用化」「自立化」「普及期」の各フェーズにおける研究開発を担ってきました。

水素エネルギーの本格普及期に向け、水素ステーション構築の低コスト化と充填速度の向上を両立する「低コスト高頻度水素充填システムの開発」に取り組んでいます。

水素社会実現の各フェーズにおける技術

①実現化

  • 超高圧(82MPa)、極低温(‐40℃)に耐え得る要素機器の開発(流量計)
  • 短時間、かつ満圧まで充填可能な充填制御技術

②自立化

  • 小型化、高耐久性による低コスト化の実現

③普及期

  • 革新的な充填プロトコル(充填制御技術)
  • 協調制御(高頻度充填)

当社独自の充填シミュレーション

本格普及期には 1時間に 10台の高頻度充填が想定され、ディスペンサーを 2基(ダブル)にする必要があります。これに伴い 水素 ステーションの機器も 2系列必要となりますが、主要機器が増えると設備導入コストの増加に加え、保守点検作業も増加するため、低コスト化ができません。

要求される充填性能を実現し、低コスト化も両立する機器構成を検証するため、CNG用として確立していた充填シミュレーションをベースに、MATLABを用いた水素用充填シミュレーションを自社で構築。
複数のパターンをシミュレーションし、最適な機器構成を提示し、実証試験計画が承認されNEDOのプロジェクトを受託しました。

※MATLABとは、MathWorks社が提供しているデータ解析やアルゴリズム開発、モデル作成に使用可能なプログラミングおよび数値計算プラットフォームです。

充填シミュレーションの詳細はこちら

超高圧流体充填の仕組み

水素エネルギーの充填に対するユーザーのニーズとして、ガソリン給油と同等の時間での充填がありますが、水素は高圧で充填すると温度が上昇する特性があり、圧力と温度を制御する必要があります。
超高圧流体充填の技術開発が必要となりました。

水素ディスペンサーへのニーズ

  1. 小型乗用車へ約3分で充填
  2. 大型トラックであっても約10分で充填
  3. 1台のディスペンサーで、大型小型など、様々な車種に対応
  4. ステーション機器(圧縮機、蓄圧器)の効率的な運転制御

ディスペンサーの開発

安全に高速充填するためには、ディスペンサー本体の性能向上も不可欠なため、各パーツの性能向上を日々進めています。

水素ディスペンサー製品情報

充填ノズルの改善

充填先のFCVの圧力と温度を検知し、通信プロトコル(SAE J2601)に準拠し、安定した充填を行います。

緊急離脱カップリング

万が一強い力がホースにかかると離脱。水素の漏洩やホースの破損、ディスペンサーの転倒を防ぎます。

コリオリ流量計

流量範囲が0.05~5.0kg/minへ性能アップ。形状もコンパクトになりました。

研究開発ストーリー

初めての施設、初めての申請

2003年~2007年に行った「70MPa級水素ディスペンサーの実用化に資する研究開発」において要素機器や充填制御の成果物を評価するために当社施設内に研究開発施設を建設しました。
その当時70MPa級の水素充填設備が無かったことから県の担当者様も前例の無い案件の判断が難しく設備の壁の厚さ等、協議を重ねた経験があります。

水素エネルギーの利用拡大に向けて

今後の車両大容量化対応や膨張タービン等の開発を見据え、2022年9月に商用ステーション以上の性能を有する水素充填試験設備を新規に設置し、運用を開始しました。当社は、水素エネルギー社会実現に向け、これからも新しい技術の研究開発を進めていきます。

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