水素
水素とは
水素は、最も小さい元素で、空気よりも軽い気体(ガス)です。
水素はエネルギー源としての用途が注目されています。水素をエネルギーとして利用するには、エンジンなどで燃焼させる方法や燃料電池を用いて電気と熱を生成する方法があります。いずれの場合でも、水素は利用段階においてCO2を排出しない環境に優しいクリーンなエネルギーです。
原子構造
水素原子は、1つの陽子と1つの電子から成り立っています。
物理的性質
・無色、無臭、無害な可燃性の気体
・極低温(-253℃)で液化
水素の利用
燃焼してもCO2を排出しないことから、地球温暖化対策の切り札として注目を集めており、自動車、バス、トラック、建設重機、船舶、航空機、発電、ボイラーなどあらゆる分野での水素利用が始まろうとしています。
水素混焼バーナー
水素燃料電池船
水素の製造方法
① 水蒸気改質
天然ガスやLPGなどの炭化水素と水蒸気を反応させて水素を製造します。
製造過程で発生したCO2を改修・貯蔵することで「ブルー水素」と呼ばれます。
② 水電解
水を電気分解して水素を製造します。
再生可能エネルギー由来の電気を使って水素を生成することで「グリーン水素」と呼ばれます。
③ 副生水素
化学製品の製造工程で副次的に発生する水素を回収する。
例)海水からの苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)製造過程
石油精製過程
製鉄過程
水素の輸送方法
① 高圧水素ガス
高圧ガスの状態でトレーラーやカードルに充填し輸送する。
② 液体水素
水素を極低温かつ高圧の状態で液化し、輸送します。
※体積は気体の1/800となります。
③ 有機ハイドライド
MCH(メチルシクロヘキサン)の状態で輸送し、輸送先で水素を取り出します。
④ メタルハイドライド
水素吸蔵合金に吸蔵し輸送します。
水素ステーションの構成
水素ステーションの構成は、以下の4つのパターンがあります。設置先の環境やご要望にあわせて最適な構成をご提案いたします。
① オンサイト方式
水素ステーション内で原料(天然ガス、LPガスなど)を改質して水素を製造します。原材料がある限り、水素の製造が可能です。製造した水素を容器に充填し、近隣への供給することもできます。
② オフサイト方式
外部で製造された水素の供給を受ける方式。需要に見合う設備構成が可能で、設備の拡張性も高い。オンサイトに比べ、省スペース・ローコストで設置や維持管理ができます。
③ パッケージ型
水素ステーションを構成する機器をワンスキッド上に構成します。省スペースでの設置が可能で、機器がワンパッケージのため、建設工期が短い。移設も比較的容易に行うことができます。
④ 移動式
移動可能なトラックの荷台に水素充填装置(圧縮機、蓄圧器、ディスペンサーなど)を積み、規定の場所に設置します。 省スペースでの設置が可能で、1 台で複数拠点での充填ができます。